地下深くに潜んでいるモグラですが、自然界にはモグラを狙う強力な天敵が数多く存在します。また、愛らしい姿とは裏腹に、モグラの唾液には獲物を麻痺させる毒が含まれ、野生動物特有の感染症リスクも潜んでいます。本記事では、モグラの天敵関係と人間が素手で触れてはいけない安全上の理由を詳しく解説します。
モグラには天敵が多い!地下と地上で狙う捕食者たち
地下に閉じこもっているモグラですが、決して安全なシェルターにいるわけではありません。
地中トンネルに侵入してくる爬虫類から、地上に顔を出した一瞬を捉える鳥類・哺乳類まで、食物連鎖の中で常に狙われる立場にあります。
地上の天敵と地下の刺客!モグラを狙う動物リスト
モグラを捕食・攻撃する主な天敵には、以下のような動物が挙げられます。
巣穴に侵入して容赦なく捕食するアオダイショウなどのヘビ類
モグラにとって最大の脅威はヘビです。
アオダイショウやシマヘビ、マムシなどは細長い体を活かしてモグラのトンネル内に直接侵入し、逃げ場のない狭い坑道の中でモグラを追い詰めて捕食します。
地上に出た瞬間を捉えるフクロウ・タカなどの猛禽類
夜間や雨の日にモグラが地表へ這い出てくると、上空からフクロウやトビ、カラス、サギなどの鳥類が鋭い爪とくちばしで襲いかかります。
猫や犬は捕まえても臭いが強いため食べずに放置することが多い
飼い猫や放し飼いの犬、キツネやイタチもモグラを頻繁に捕まえます。
しかし、モグラの体には独特の強烈な麝香(じゃこう)様の分泌腺臭があるため、猫や犬は狩りの本能で捕殺しても、口にせず庭先に放置することがよくあります。
モグラの唾液には毒がある!ミミズを眠らせる麻酔成分
捕食される側のモグラですが、自らの狩りのためには強力な化学兵器を持っています。
噛んだ相手を麻痺させる成分と獲物保存の知恵
モグラの唾液腺には、獲物の神経系を麻痺させる特殊な神経毒(ペプチド性麻酔物質)が含まれています。
この毒によって主食のミミズを仮死状態にし、新鮮なまま生かして地下の貯蔵庫に保存します。詳しい保存食の仕組みはモグラの狩りと毒の利用法で紹介しています。
人間が噛まれた場合の危険性と応急処置
人間が噛まれても命に関わる重篤な中毒症状を起こすことは稀ですが、鋭い牙で皮膚が深く裂かれ、激しい痛みや腫れ、雑菌感染を引き起こす危険性があります。万が一噛まれた場合は、直ちに流水と石鹸で傷口を洗い流し、医療機関(皮膚科や外科)を受診してください。
野生のモグラに素手で触れてはいけない衛生上の理由
道端や庭で弱っているモグラを見かけても、絶対に素手で掴んではいけません。
レプトスピラ菌などの人獣共通感染症のリスク
モグラをはじめとする土壌性小型哺乳類は、「レプトスピラ菌」などの病原体を保有している可能性があります。
傷口や粘膜から菌が侵入すると、発熱や筋肉痛、重篤な場合は肝障害や腎障害を引き起こす恐れがあります。
体表に寄生するダニやノミによるアレルギー被害
モグラの密集した毛皮の中には、マダニやモグラノミなど多数の外部寄生虫が潜んでおり、これらに刺されることでアレルギー皮膚炎や感染症を発症するリスクがあります。
モグラの全体的な生態や生息地についてはモグラの生態図鑑をご参照ください。
【Q&A】モグラの危険性と天敵に関するよくある質問
庭で死んでいるモグラを見つけたらどう処理する?
素手では絶対に触らず、ゴム手袋やビニール袋を二重に着用して新聞紙やトングで包み、お住まいの自治体のルール(一般ごみ等)に従って衛生的に処分してください。
モグラは人間を襲ったり噛みついたりしてくる?
モグラから能動的に人間を襲ってくることはありません。ただし、捕まえようと手を出したり追い詰めたりすると、自己防衛のために猛然と噛みついてくるため危険です。
飼い猫がモグラを捕まえてきたときの注意点は?
猫がモグラを咥えていた場合、口周りや手足に寄生虫や菌が付着している可能性があります。猫の体をペット用シート等で清潔にし、ノミ・マダニ駆除薬を動物病院で処方してもらうと安心です。
まとめ:可愛い見た目に惑わされず適切な距離を保つ
アニメや絵本では温和でユーモラスに描かれるモグラですが、自然界では毒を操るプレデターであり、多くの天敵と戦う野生動物です。むやみに触れ合おうとせず、適切な距離を保って観察することが大切です。

