この記事では、日本のタガメに関する販売禁止規制(特定第二種国内希少野生動植物種)の法律的な詳細、ネット取引の禁止ルール、規制前後の取引相場について正しく解説します。
この記事でわかること
- タガメが「特定第二種」に指定された経緯と、販売・購入が禁止されている法的ルール
- ヤフオクやメルカリにおける出品禁止、無償譲渡が認められる条件と違法時の罰則
- 規制前の生体価格の相場と、現在も取引可能な海外産食用タガメの適正価格
タガメの販売は禁止!特定第二種国内希少野生動植物種の法律概要
野生の日本産タガメは、法律によって商業目的での販売、頒布、購入、譲受が完全に禁止されています。
これは、環境省が定める「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づき、2020年2月10日付でタガメが「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定されたためです。この指定は、商業活動による乱獲から種を保護することを目的としています。
特定第二種への指定は、従来の第一種(販売も飼育も一切禁止)とは異なり、趣味での飼育や研究といった「非商業目的の捕獲・飼育」は容認しつつ、「販売や購入などのお金が絡む取引」だけを厳しく規制する、日本の里山文化に配慮した画期的な法律ルールとなっています。
| 規制区分 | 規制内容と許可される行為の比較 |
|---|---|
| 販売・オークション出品 | 完全禁止(ネット・実店舗問わず違法) |
| 購入・落札 | 完全禁止(購入した側も処罰の対象) |
| 野生個体の自己採集 | 許可(個人飼育目的に限る) |
| 無償での譲渡・プレゼント | 許可(対価が発生しない単純な受け渡し) |
メルカリやヤフオクは?ネット取引における禁止行為とルール
インターネットの普及により、かつては手軽に行われていたネット上でのタガメの売買ですが、法改正後はそのすべてが監視の対象となっています。
ネットオークションやフリマアプリでの出品禁止
ヤフオク!やメルカリ、ラクマといったネットオークションやフリマアプリにおいて、タガメの生体(成虫・幼虫・卵すべて)を出品することは完全に禁止されています。
もし出品を発見した場合、サービス運営者によって即座に出品削除やアカウント停止処分が下されます。さらに、これは単なるプラットフォームの規約違反に留まらず、国家法律である「種の保存法」に直接違反する重大な刑事事件として扱われます。
無償譲渡(プレゼント)なら合法?違法?の境界線
金銭のやり取りを伴わない「無償の譲渡(プレゼント)」については、法律上、違法には当たりません。
例えば、自分で採集して増やしたタガメを「お世話になっている知人に無料でプレゼントする」行為や、子供同士で「タダで分け合う」行為は認められています。ただし、実質的な対価(別名目での金銭支払いや、高価な物品との交換)が発生している場合は、法の網の目をくぐり抜ける「実質的な売買」とみなされ、違法取引と判定される可能性が非常に高いため極めて注意が必要です。
違法取引を行った場合の罰則と行政処分
種の保存法に違反してタガメの販売や購入、あるいは商業目的の譲渡を行った個人には、非常に重い罰則が科されます。
具体的には、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることになります。法人(ペットショップなどの事業者)が組織的に違法取引を行った場合は、さらに高額な最大1億円の罰金が科される規定となっており、非常に強力な法的強制力をもって取引が取り締まられています。
規制前のタガメの価格相場と現在の食用タガメの取引市場
タガメが法律で規制される以前の生体価格と、現在も一部で流通している食用タガメの市場動向について整理します。
規制前にヤフオク等で取引されていた生体価格の推移
2020年の法規制前、日本産のタガメはネットオークションや一部の昆虫専門店で自由に売買されていました。
当時の価格相場は、成虫1ペア(オスとメスのセット)で約3,000円から5,000円前後が一般的でした。繁殖シーズンである初夏には一時的に価格が上昇し、状態の良い大型の個体であれば1ペアで8,000円を超えることもありました。この高値での取引が加熱した結果、全国各地での乱獲や生息地の破壊が加速し、最終的に法律での販売禁止という事態を招く引き金となったのです。
海外産(タイ等)の食用タガメの適正価格と輸入ルール
日本産の野生生体は売買禁止ですが、アジア諸国(主にタイやベトナム)から合法的に輸入されている「食用(昆虫食用)の海外産タガメ」については、現在もネット通販等で流通しており購入可能です。
これらの食用タガメ(主に冷凍または乾燥品)の値段は、1匹あたり約300円から500円程度が適正相場となっています。輸入に際しては、現地の養殖場から正規の検疫手続きを経て輸入されており、日本の野生個体に影響を与えない別のルートとして確立されています。
【Q&A】タガメの法律と取引に関するよくある質問
自分で捕まえたタガメを友達にタダで譲ることはできますか?
対価(金銭やその他の報酬)を一切受け取らない純粋な「無償譲渡」であれば、友達にタダで譲ることは法律上、全く問題ありません。ただし、譲り受けた友人がその後、オークションなどで転売することは厳禁ですので、譲渡する際にはルールをしっかり伝えて共有しておくことが大切です。
違法な売買を見かけた場合の通報先は?
フリマアプリやネットオークション、または街のペットショップなどで日本産タガメの売買が行われている疑いがある場合は、環境省の「野生生物相談コーナー」や、最寄りの警察署(生活安全課)、または「自然保護NGO」などに通報・連絡を行ってください。スクリーンショットや店舗情報を添えるとスムーズです。
学術研究や学校での教育目的であれば売買可能ですか?
学校の授業や大学の研究といった公共・学術目的であっても、許可なくタガメの「売買(金銭を伴う取引)」を行うことは法律で禁止されています。研究機関などで生体が必要な場合は、他の研究者からの無償譲渡(分与)を受けるか、事前に環境大臣の特別な許可(学術捕獲・所持の申請)を得た上で、自ら採集する必要があります。
まとめ:法律を守りタガメの違法取引をなくして自然を守ろう
タガメの売買禁止ルールは、日本の豊かな水辺を守るための極めて重要な決まり事です。
日本の野生タガメが減少した理由はこちら からも分かるように、開発や水質汚染によって追い詰められたタガメをこれ以上の商業乱獲から守るため、2020年の法規制が導入されました。
野生タガメの生息スポットや見つけ方はこちら で見つけた場合でも、決してお金のために売るようなことはせず、自分で大切に育てるかその場で優しく観察するだけに留めましょう。私たち一人ひとりが法律を正しく理解し、違法な取引を徹底してなくしていくことが、里山の小さな生態系を守る確実な一歩となります。

